「肋骨」は、上半身の施術の中では、胸椎、頚椎、肩甲骨、鎖骨、上腕骨
等と共に、とても重要なポイントとなる箇所です。
肋骨は、背骨の胸椎の横に関節(肋椎関節)を介して付着し、
体前側では、胸骨とつながっています。(胸肋関節)

肋骨の一番の働きは、心臓や肺、
腎臓、肝臓などの大切な臓器を守
る
鎧としての働きです。
ただ、鎧と肋骨の違いは、肋骨の
場合、臓器がすぐ下にぴったりと
くっついていて、しかも働く度に、小さくではありますが、
ふくらんだり、しぼんだりしますので、
肋骨自体も膨張収縮
の動作をしないといけません。
なので、肋骨は、より高性能な鎧だと言えます。
肋骨が膨張収縮できるために、前述の「肋椎関節」「胸肋関節」が必要なのです。
施術をする際、検査で、背骨や肋骨を手のひらで軽くなぞります。
本来はかすかに弾力があり、スポンジのように少しへっこむように感じる
のですが、手のひらにゴツゴツと肋骨を感じる箇所があります。
この箇所が、肋椎関節がずれて、硬くなっていて、正すべき箇所です。
ほとんどの場合、猫背が肋骨のズレを起こしています。
猫背の人の背骨(胸椎)は、前におじぎしています。
同様に肋骨も前に倒れ、肺を圧迫すると共に、胸椎と肋骨の接点の肋椎関
節がずれて、硬くなり、肋骨の大きな働きである膨張収縮が阻害される原
因となります。
肺は膨らみにくくなり、息苦しさを感じるようになり、その他の臓器の働
きも低下します。
自律神経のバランスの崩れの一因にもなります。
ほとんどの場合、肋骨は背骨と同様で、前に倒れています。
なので、その逆方向に正します。
先ほど述べました、検査でゴツゴツと感じた肋椎関節に、
軽いテンションをかけて押さえます。
そのとき、だいたいのお客様は、「とても気持ちいいです。」と、おっしゃいます。
身体は正されるべき箇所をちゃんと認識しており、その時は、気持ちよさを信号として脳に送るのです。
「自然ってホントに凄い!」ですね。
しばらくすると、ゴツゴツ感がなくなり、やんわりとした感触に変化します。
それを硬くなった肋骨すべてに行います。
すると、
背骨が緩み、肩がらくになり、呼吸がしやすくなります。
もちろん、肋骨だけでなく、胸椎、肩甲骨、鎖骨、上腕骨なども正さないといけませんが。