当庵に来られるお客様で、最近特に多いのは、「先生、首と肩がとてもつらいんです。」と
訴えられるお客様です。
こちらが、「もしかしたら、頭痛もあるのと違いますか?」と聞くと、「はい、頭痛もです。」と返されます。
そんなときは、まず
後頭部のすぐ下の首の骨を軽く押さえます。

すると、
首の骨が指先にコツンと当たります。
これがいわゆる「
ストレートネック」という状態です。
本来は、後頭部の下部は、首のカーブがあるところで、指で押さえても、
筋肉しか触れられず、骨は触れられないはずなのです。
そして、ストレートネックの場合は、肩や首、肩甲骨廻りの筋肉が
凝っていて、時には、筋肉がこぶみたいになっています。
なぜ、ストレートネックになると、上半身がつらくなるのか?
背骨というのは、頭や上半身の重みを受け止めるために、
Sの字状にカーブしていて、それがうまくたわむことによって、
重みを受け止めます。
そのため、「首は前カーブ」「背中は後カーブ」
「腰は前カーブ」の弧を描いています。
ところが、本来は胴体の真上に来るべき頭が、胴体の前方にずっと来ていると、
ちょうど首の弓なりの弧の部分がまっすぐに伸ばされてしまいます。
すると、ストレートネックとなり、
本来のクッションの役割を果たすことができなくなるのです。
クッションの役目が果たされなければ、筋肉が酷使されて、
首や肩の筋肉が伸ばされて、
硬くなり、凝りとなって、様々な症状が出てきます。
最近、なぜこのストレートネックの症状が増えているのか?

まず第一に、「
パソコン、携帯電話の普及」が挙げられます。
これらのアイテムの共通点は、@
座り姿勢で、A
うつむきで、B
同じ姿勢のまま、
作業をするという点です。
@ABの動作が、首の弓なりをまっすぐに引き伸ばしてしまうのです。
なので、「パソコン、携帯」以外にも、「
自動車での長距離運転、ネイリスト、
各種機械の作業等の下向きで固定した作業」なども、ストレートネックになり
やすい動作といえます。
ストレートネックを正すには、
@骨盤、A背骨、B脚・足、C肩甲骨、D腕、E頭・首、の順で、
歪みで硬くなった
各関節を緩めていきます。
つまり、上半身の不調といえども、それは全身的な歪みの表れなので、
やはり
全身の調節が必要なのです。
もちろん、各部を検査をしながら、悪くないところはスルーし、
悪い所は時間をかけて、正していきます。
ただし、上記の動作が多い方は、手を酷使し、
手首・肘・肩などの関節が
ずれている方がほとんどですので、重点的に正します。
また、毎日行ってもらう「首の自己矯正」、体をケアするための
パソコンの操作方法などの指導も同時に行います。